訴訟より簡単な労働審判ってなに?川口の弁護士が解説します!

労働審判とは?

労働審判とは、残業代の請求等の民事紛争に関し、裁判官1人と労働関係に関する専門的な知識経験を有する者2名で組織する労働審判委員会が審理を行うものをいいます。

労働審判は、原則として3回以内の期日で審理を終結することになっています。

労働審判と訴訟の違いは?

 端的に言うと労働審判は短期間で終わるが、訴訟は長期間要することになります。

 つまり、労働審判は期間として約3か月程度で終わるが、訴訟は10か月程度かかります。また、労働審判は原則として3回の期日で終わりますが、訴訟の場合には、何度も法廷に足を運ぶことになります。

 

労働審判員とは?

 労働審判を担当する浪々審判員とは、労働関係に関する専門的な知識経験を有する民間人の仲から最高裁判所にあらかじめ任命された者です(任期は2年)

 労働審判員は、労働者側1名、使用者側1名がそれぞれ指名されます。

 

労働審判の対象となる事件は?

 労働審判手続きの対象は、個別労働関係民事紛争である。

 具体的に労働審判の対象となる紛争は解雇、雇い止め、配転、出向、降格の効力を争う紛争や、賃金、退職金を請求するというものです。  

 これに対してパワハラやセクハラは、会社ではなく加害者個人と争うことになるため、労働審判の対象とはなりません。

労働審判はどこの裁判所に申し立てるの?

①相手方の住所、居所、営業所もしくは事業所の所在地を管轄する地方裁判所

 

②個別労働関係紛争が生じた労働者と事業者との間の労働関係に基づいてこの労働者が現に就業しもしくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所

 

③当事者が合意で定める地方裁判所

労働審判はどのような流れで行われるの?

() 第1回目の期日

  労働審判手続きの1回期日は、特別の事情がある場合を除き、労働審判手続きの申立てがなされた日から40日以内の日に指定される(第一回目はおよそ1カ月程度です)。

  相手方にたいしては、裁判所から労働審判の申立書、証拠書類の写しとともに、期日呼出状および答弁書催告書が出されることになります。

 

()答弁書の提出

 相手方は、第一回目の期日の一週間程度前までに、裁判所に答弁書及び証拠書類を提出することになります。労働審判は3回の期日で終了する手続きであるため、第1回目の期日から充実した審理を実現するために、反論の具体的な証拠を提出する必要があります。

  第一回目の期日で話し合いがまとまった場合、調停調書という書面が作成されることになります。

 

()審理 

  労働審判では、労働審判委員会が第一回期日で当事者の陳述を聞いて争点

 及証拠の整理を行い、必要な証拠調べを行います。

労働審判手続きは、原則として3回以内の期日で審理を行いますが、原則と

 して第2回期日が終了するまでに主張及び証拠の提出を終えてなければなりません。

 したがって、実質的な主張・証拠の提出は第2回期日まで、しかも多くの場合は第一回期日で主な主張立証が行われるため、第一回期日までにどれだけ多くの証拠を用意できるかが重要になってくるといえるでしょう。

 

()労働審判の終了

 労働審判は、ほとんどの場合、第2回期日までに、労働審判委員会から調停案が出されることになります。統計上、第2回目までで約70%の事件の話合いがまとまっています。

 もっとも、調停での解決に至らなかった場合には、労働審判委員会は審理の結果を踏まえて労働審判を行います。

 

()異議申し立てと訴訟への移行

 労働審判に対して、審判書の送達または労働審判の告知を受けた日から1週間以内に裁判所に対し、異議の申立てを行うことができます。

 適法な異議の申立てがあったときには、労働審判はその効力を失い、労働審判手続きの申立てに係る請求は、当該労働審判手続きの申立てのときに、裁判所に訴えの提起があったものとみなされる。